140字のエチュードーVoL.2

 

  2014年2月12日3:29

  私事で恐縮ですがブログをはじめてみました。今の所は星新一さん風の自作小説を載せていこうと考えております。えー、全ぜん星さんのと違うじゃん、とお気に召さない方もいらっしゃるでしょうが、あくまで個人の趣味の範囲で書いたものなのでご了承ください。よかったら下からご覧下さい。星さんらぶ。

 

 2014年2月14日4:03

  本日、私をフォローして下さった皆様へ。真に感謝の気持ちで一杯でございます。また、きまぐれにふらりとここへお立ち寄りになった方々に対しても厚く御礼申し上げます。もしもいま何もすることがなくてお暇でしたらブログに載せました掌小説をお読み下さると嬉しいです。下記よりどうぞ。星さんらぶ。

 

 2014年2月15日0:31

  本日21時よりフジテレビにて土曜プレミアム星新一ミステリーSP』が放映されます。皆様よかったらご覧ください。フジとも星さんとも何の縁もない私ですが、ここ数日の星さんブームにあやかろうと自らのブログを宣伝するもくろみを企てていたのでそのお詫びの意味も含めて宣言します。星さんらぶ。

 

  2014年2月21日0:29

  自称詩人兼作家の私が申すのも変な話ですが、これだけネットの世界に表現する人の数が増えると将来「読者」や「観客」といった職業が成り立つ日が来るかもしれないと思ったりするのでございます。「貴方の作品、千円払ってくれたら見てあげてもいいよ」と言われることを想像すると私はゾッとしました。

 

  2014年2月24日6:07

  少年はピアノに肘を持たせてどこか遠くを見つめている。淡い黄緑色をした長袖のシャツが静謐な調和を醸し出すようで、彼の周囲をまとった青い刹那的な空気の中へ溶け込もうとしている。彼は自分が今ここにいたいのかそれとも離れたいのか分からなかった。それでも大切なのは生き延びることだと感じた。

 

  2014年2月26日1:04

  詩を書くことをイタいとみなす人もいますが、そんなことはむしろ今さら言うまでもなくその通りだと私は思います。それでも書かざるを得ないからこそ書く人がいる訳ですし、逆にそういうある種の痛みや傷みがないと良い詩は生まれないとも感じています。イタみや痛みや傷みを悼みへ昇華させるのが詩人?

 

  2014年3月8日1:09

  書きたいことが書けなくて、どうしてこんなことを書くのかと、そう自分でも思うことばっかり書いてしまう。こんなんだと、書きたいことなんていうのは、始めから求めない方が上手く書き表せるのかもしれない。それでも、やはり、書きたいことを書きたいという欲はいつも消すことができなくていいのか。

 

  2014年3月8日12:16

  「明るさは滅びの姿であろうか」といったようなセリフを太宰治は『右大臣実朝』という作品の中で使ったみたいだけど、ふつうの人にとってのプラスは彼にとってのマイナスだったのだろうか。そうだとすれば彼の中で、昼は暗く、夜は明るい。右向け右と言われれば左を向く。微笑みは哀しく、涙は楽しい。

 

  2014年3月13日7:41

  小説にしても詩にしてもペンを持って原稿用紙に書くよりスマホやパソコンで入力する方がすらすらと書けてしまう。それでも一部を紙に頼りたくなるのは何故だろう。入力方法を切り替えることで自分の作品を客観的に見ているという事実上の安心感を得るためか、それとももっと深い理由が眠っているのか。

 

  2014年3月17日5:54

  風立ちぬ、いざ生きめやも。ポール・ヴァレリーの詩「海辺の墓地」の一節にある言葉を堀辰雄が訳したものだけど、この「めやも」というのはどこから捻り出されたのだろう。井上陽水の「少年時代」にある歌詞「夏が過ぎ風あざみ」の「あざみ」もそうだけど曖昧な意味の言語に美を感じるのはまじで神秘。

 

  2014年3月19日5:47

  稲垣足穂の作品が、おもしろい。小説とも詩とも童話ともお笑いともとれるような、要するに何とも言い表せないそれらの作品は確かに煌めいており尚且つ自由だ。というより、ここまで自由過ぎると逆に何だか安心する。もしも稲垣足穂ツイッターをしていたらきっと私は即刻フォローしているに違いない。

 

  2014年3月21日5:28

  風船で犬を作った。それはそれはまるで今にも駆けだしそうなくらいだとつづりたいけれど、即席で拵えたうちのわんこはそっとしずかにふわふわしていた。艶やかに光るはりのあるからだは明日にはもう失われる。なんて最もらしく深刻ぶる必要もないんだろうが、何となく今夜はもの悲しくなっちまったぜ。

 

  2014年3月24日14:53

  私は風だ。何もかも吹き飛ばしてやりたい。そう周りからみなされている。でも最近はそれがやるせなくてしょうがない。別に私は吹きたくて吹いている訳じゃないのに。結局、誰も本当の私なんて理解してくれないんだ。それにまだ私は一度も貴方に逢えたことがない。海岸に咲く桜を優しく包む凪、貴方に。

 

  2014年3月25日6:55

  焼き飯が旨い。ギョーザもイケる。これにラーメンがあったら最高だなぁと思った。あとビールもイイね!まぁ実際はそんなに呑めねぇんだけどさ。とにかく無性に酔っぱらっちまいたい気持ちってのがこんなんだって分かっただけでもマシってか?ふざけんな!って俺が激したところで誰もビビらんからなぁ。

 

  2014年3月26日7:19

  私は凪だ。全ての事物へ静寂を響かせている。そう自身を錯覚させたいほど私の聴覚に対する欲求は計り知れなかった。何より私は音というものそれ自体を嫌悪しているように見受けられている。海岸線上から音を奪うさもしい存在が私、だと。この過剰なまでの思い込みを果たして風は吹き飛ばせるだろうか。

 

  2014年3月27日2:05

  私は桜だ。春になると何かと注目を浴びる。しかし私はそれが恥ずかしくて嫌で堪らない。早く散ってしまいたいとすら思う。夏の葉や冬の枯枝をちゃんと見てくれる人は誰もいないのに。でもその方が落ち着いてしまう。見られたい。見られたくない。悶えるたびに桜の花びらが一枚ずつ散っていく。美しい。

 

  2014年3月29日7:45

  NHKで細胞の特集番組を放送していた。山中教授によると、大多数の細胞が日々、分裂による刷新を繰り返す中で心臓のみが生まれて死ぬまでずっと同じ細胞を維持しているそう。そこには一人の人間が体験した全ての記録が何らかの形で心臓の細胞に刻み込まれているという解釈の余地が生じないだろうか?

 

  2014年3月29日15:46

  私は雨だ。どこまでもどこまでも堕ちていく。決して上昇できない私の哀しみ。傘やアスファルトに弾かれて行き場を失くした思いは知らぬ間に僕らの心を悲しみに染めていた。水たまりに映る桜が泣いている。幹をつたわる涙はいつかの花を咲かせるために。哀しみや悲しみを愛しみに還すために、止まない。