2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

140字のエチュードーVoL.2

2014年2月12日3:29 私事で恐縮ですがブログをはじめてみました。今の所は星新一さん風の自作小説を載せていこうと考えております。えー、全ぜん星さんのと違うじゃん、とお気に召さない方もいらっしゃるでしょうが、あくまで個人の趣味の範囲で書…

小説「美女」

「お願いします。どうか私を逮捕してください」 突然交番の前に現れ、私に対してその言葉を発したのは一人の若い女だった。この辺りは普段から人通りも少なくめったに交番を訪ねる人間もいないため、私はこの奇妙な申し出によって動じた心情を咄嗟に誤魔化そ…

小説「月のぼやき」

ぼくは月。いつも夜空に浮かんでみんなを見守っている。たまに仕事疲れの大人が、ふと、足を止めてぼくを見上げたかと思えば、どことなく元気になってくれているのが嬉しい。もちろんぼくは大人だけじゃなくて子供達のことも大好きだ。特に寝る前にぼんやり…

小説「ふとんの惑星」

ここはふとんの惑星。ふとんの敷き詰められていないところはどこにもない。一見、山のように見えるところには深緑色のふとんが、海とも湖ともとれるような場所にはグラデーション状となった青色のものが折り重ねられている。そこで人々は特別に何かをすると…

小説「カタストロフィ?」

「この星はもう終わりだ」 誰かの落胆した声が荒れ狂う暴風雨の鳴らす騒音に掻き消された。しかしそれはもはや言うまでもなく、誰の目にも明らかなことだった。 水と緑が豊富にあって暮らしやすかったこの星をここ数年の異常気象が滅茶苦茶に破壊した。気温…

詩「よっぱらいんらん」

生骸 より立ち昇る 瞳には決して映る ことのない素粒子 散りゆく紅葉を風っ と 間に間に甦らせよう とっとっおっとっと かめらのふぁいんだー 越しにのほほんと微笑 冬の陽光に透きとおる め尻の奥にのびる頬骨 にゅるるんにゅるるん なめらかな音をたてて …