詩「ひるやすみ」

 

 

今、僕は

 

木蔭でやすんでいた

 

ゆっくりとね

 

平日の昼下がりの午後

 

これがいわゆるほんの

 

わずかな気休めってやつか?

 

この、かけがえのない

 

それでいてつまらない

 

クーハクナヒトトキ

 

僕はサンドイッチと

 

アイスコーヒーを手にして

 

それらしくふるまう

 

必要ないのにやはり

 

それらしくふるまう

 

サンドイッチに挟まった

 

照り焼きチキンをかじる

 

アイスコーヒーをすする

 

コートを膝にかけながら

 

木漏れ日をみあげる

 

あたたかい? いや、

 

まだ分からない!

 

今夜は冷えるぜ・・・そのの

 

証拠にほら、ふいに、

 

野良猫が草むらから飛び出す

 

みつばちがダンスを踊る

 

スズメが舌を出して、鳴く、

 

鳴く!  鳴け! 鳴こぉ?

 

チュンチュンチュンチュン

 

チュンチュンチュンチュン

 

声楽に惹かれて、いや、

 

チキンの香りに誘われて

 

鳩も寄ってきやがった

 

どこぞの飼い犬も尾をふる

 

噴水がわいてでる

 

小さな虹はみえない

 

海だけが静かにうつる

 

白くきょだいな満月が

 

冷たい春の夜を

 

黄金に照らす

 

つぎの気休め

 

 

そなえて僕は

 

明るい日射し

 

 

渦中へ

 

すっくと

 

ダイブ!

 

ほら、そこに、

 

君に待って

 

いてほしいぃ

 

 

祈りながら・・・